「文化芸術による復興推進コンソーシアム」の支援イベントのため、陸前高田上長部地区にうかがいました。沿岸部は、広範囲にわたって、かつて家があっただろう基礎が残っていて、ガレキの山がうず高く積まれていました。どういうふうに道をつくり、まちをつくっていけるのか、途方に暮れてしまうような光景の中、一本松がたたずんでいました。
そんな中、地元の方々とボランティアの方々が、土地を耕したり、みんなの集う場所を作ったり、復興に向けての歩みも始まっていました。3月11日、上長部ふれあい広場には、応援メッセージの書かれた「シンサイミライノハナ」が咲き、盛岡から20日間かけての「三閉伊ウォーク」のゴールを迎えて慰霊碑をたて、直会(なおらい)が行われました。
時折雪もチラつく中、「鎮魂と復耕〜音楽とともに」と題して、地元の方々、ウォーキングの方々、ボランティアの方々が集う機会に2組のアーティストに出演いただきました。
まずは、宮城出身のジャズミュージシャン20人で構成される東北NOTESから、稲垣達也さん(ピアノ)、黒瀬寛幸さん(ベース)、黒瀬理知さん(ドラム)、Taeさん(ボーカル)。被災して仕事を失った方が多い中、音楽に携わる方々もこれからどうしていけるのか、足踏みもあったかと思います。被災して多くのものを失ったけど、一歩踏み出して、復興支援のCDを作成したり、ガレキから楽器を作る「瓦礫再生プロジェクト」を行ったり、ここで使われたベースも、このプロジェクトで生まれたものでした。
そして、田辺靖雄さん、九重佑三子さんご夫妻。田辺さんは日本歌手協会の代表理事としても、震災後、多くの被災地支援のためのコンサートを行ってきました。心のこもったメッセージと素敵な歌声、思い出の曲の数々に、会場は暖かい笑顔に包まれました。最後には、会場にいた全員で上を向いて歩こう。それから、送り火となる灯籠に火をつけて、慰霊碑の前に集まりました。
14時46分、会場に集まったみなさんで手をつなぎ、黙祷を捧げました。1年の節目となる日に、1日も早い復興を願い、遠方からかけつけていただいたみなさん、ありがとうございました。
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