2012年3月24日土曜日

3/25 小名浜ミュージックパフォーマンスフェスタ

3月25日(日)に福島県いわき市の小名浜美食ホテル2号館潮目交流館にて「小名浜ミュージックパフォーマンスフェスタ」を開催しました。
「親子で楽しめるコンサートとマジックショー」をコンセプトにして地元いわき市のダンスパフォーマンスユニット「エクスプレションD.S.」をはじめクラシック、マジックのプログラムを公演しました。   


小名浜まちづくり市民会議をはじめ関係各位のご協力により、ファミリーからご年配の方まで、立見の方がいらっしゃるほどの延べ400名の皆様に楽しんでいただけました。
子どもたちから大人まで少しでも多くの被災された方々に、公演をご観覧いただき「元気」になってもらいたいという思いは届いたのではないでしょうか。

2012年3月17日土曜日

3/17 岩手県田野畑村 ②アズビィ楽習センター

夕方になり、次に向かったのは田野畑村の文化施設「アズビィ楽習センター」。ハックの家から車で5分ほどの場所にあります。敷地内には木造の仮設住宅が50棟ほどあり、会場には60人ほどのお客様にお越しいただきました。   
  
ここでも南天さんの東北弁落語に大爆笑、お客さんの心をがっしり掴んで離しません!
そしてブラボー中谷さんが次々繰り出す渾身のマジックには子どもも大人も大喜び。最後は米福師匠による古典落語の名作「二番煎じ」。火事が多かった江戸の町を夜回りする旦那衆が番小屋の酒盛りを役人に知られて大慌て…。風情ある江戸の落語に皆さんも真剣なまなざしで魅入っていました。

公演終了後は、地元の方々とともに語り合う時間を過ごしました。
建物などが復旧されていく一方で、気持ちの面なかなか追いつかないといった感情を抱える中、「こうやって笑顔や元気がもらえる支援はすごくうれしい」「待っているからまた来てほしい」といった声をいただき、最後はみんなで一緒に、地元のおいしいお酒で今日の出会いに乾杯しました。

3/17 岩手県田野畑村 ①ハックの家

3月17日、岩手県下閉伊郡の田野畑村で落語と奇術の公演を行いました。ここには三陸鉄道北リアス線が通っていましたが、震災でいまだ復旧せず。二戸駅から車で久慈市を経由し、2時間ほどかけて田野畑村に入りました。


最初の会場は「ハックの家」。ここは障がいを持つ人たちが障壁のない活動場所を得られるようにと、福祉作業所として平成8年(1996年)に設立されました(現在はNPO法人)。部屋には古布が織りこまれた素敵な柄のバッグや小物入れ、抽象的で色彩豊かな絵画作品などが多数展示されています。
 
会場には、はじめて生でみる落語やマジックを楽しみに、30人ほどの方々がお越しくださいました。

はじまりは、桂米福師匠の「狸札」。主のためにお札に化けた狸がさまざまなハプニングに見舞われる場面に皆さん大盛り上がり。場があたたまったところで、ブラボー中谷さんによるダジャレをふんだんに盛り込んだマジック、川野目亭南天さんによる東北の民話をもとにしたオリジナル落語で、会場は笑い声いっぱいに包まれました。

3/17 大船渡公演② 越喜来東区会館


大船渡リアスホール公演の後は、弦楽四重奏とまねき猫さんで山を1つ越えて越喜来(おきらい)東区会館へ。山をのぼる途中にある公民館にも津波は迫ってきたそうで、道中にあったであろう家屋はなくなっていました。




被災地では、仮設住宅にバラバラに入ったため隣人とのコミュニケーションが難しくなている地域もあります。遠野まごころネットのボランティアの方々は、いろんな場所でお茶っこをして、顔をあわせておしゃべりする機会をつくっています。今回もせっかくなので、公民館でご近所のみなさんに楽しんでいただける機会をつくっていただきました。
 
「アイネクライネナハトムジーク」で始まり、まねき猫さんの演芸が続きます。全身での動物ものまねに、子どもも大人も笑みが。なごやかな雰囲気のもと、カルテットでピチカートが素敵な「セレナーデ」、ビートルズの「Yesterday」、ミュージカル「マイ・フェア・レディ」から「踊りあかそう」など。弦楽のあたたかい調べにみなさんうっとりと耳を傾けていました。

最後の曲が終わった後、会場から「アンコール!」「いい日旅立ち!」との声が。偶然にも用意していたアンコールがばっちりきまりました。

【共催】遠野まごころネット/芸団協/ユニフィル/越喜来東区会館
【協力】日本クラシック音楽事業協会

3/17 大船渡公演① リアスホール



3月17日、岩手県大船渡市リアスホールでオーケストラコンサートを行いました。
神奈川フィルハーモニー交響楽団と東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団の合同オーケストラ。受付は、遠野まごころネットのボランティアの方にもお手伝いいただきました。ありがとうございました!
動物ものまねの江戸屋まねき猫さんのナビゲートでサン=サーンスの「動物の謝肉祭」は、「頭ん中動物園!」と題して、ライオンやゾウ、カメなどそれぞれの曲のイメージも膨らみます。ふいに聞こえてきた、まねき猫さんの本物そっくりの動物の鳴き声に、会場にもざわめきが走りました。

「指揮者に挑戦!」のコーナーでは、かわいい子どもたちがカルメンに挑戦。不安気だったり、自信たっぷりだったり、子どもたちの素直なコメントにみなさん笑みが広がっていました。

 
みんなで手拍子しながら、ノリノリの「マンボ」。ソプラノ、テノールも加わっての「乾杯の歌」、それからジブリ映画から「天空の城ラピュタ」「さんぽ」など、生の音楽、いろんな楽器の豊かな響きを味わえる楽しいコンサートでした。
最後は、「ふるさと」それから「上を向いて歩こう」をみなさんで歌いました。歌いながら涙ぐまれる方もいらっしゃって、会場からは、熱い拍手が贈られました。


【主催】財団法人神奈川フィルハーモニー管弦楽団
【共催】東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団/大船渡市
【協力】社団法人日本芸能実演家団体協議会
【助成】公益財団法人ロームミュージックファンデーション
【協賛】ローム株式会社


2012年3月14日水曜日

鎮魂と未来希望(3.11仙台)

2012年3月10日(土)、11日(日)仙台市中心部商店街希望プロジェクト主催による「鎮魂と未来希望~映像コンペティションと光・音楽のステージ~」が開催されました。


文化芸術による復興推進コンソーシアム設立準備委員会が、共催として音楽ステージプログラムに参加、10日、11日共に18:30から21:00、野外特設ステージで宮城県内外の一流アーティストの出演により厳かに実施されました。

時折小雪が舞う寒い日の夜に開催されたステージでしたが、オペラ歌手の皆様の鎮魂の思いを込めた熱い歌声に多くの人が足を止め、聞き入り、口ずさみ、涙を流す人などもいらっしゃいました。
人の心に働きかける芸能の力が、復興の一助になるものとの想いを新たにする公演となりました。

2012年3月11日日曜日

復興へ想いを馳せて~追悼、そして新たな1年へ~

震災から1年の3月11日、芸能花伝舎で「復興へ想いを馳せて~追悼、そして新たな1
年へ~」の集いを実施しました。風が強く、予定していたキャンドルナイトは、校庭で実施することは諦めざるを得ませんでしたが、約80名の方々がキャンドルケースに想いを描きこんでくださったものをG棟の入り口に並べ、祈りの空間ができていました。


会場となったG-2のスペースでは、冒頭、尺八のブルース・ヒューバナー氏と波紋音の永田砂知子氏による追悼演奏が行われ、厳粛なムードに包まれるなか、参加者全員による黙祷と大林丈史専務理事による献杯で幕をあけました。
集いには60名余の方々がご参加くださいました。落語芸術協会より提供された東北三県からの日本酒と漬物が参加者へ振舞われ、和やかな雰囲気の中、芸団協が今年度おこなってきた「震災に文化芸術を!プロジェクト」の活動報告を行い、岩手県で実演家と被災地をつなぐ活動をしてくださった遠野まごころネットの方から、被災地の状況やボランティア活動の実状についてお話しいただきました。
そして、ヒューバナー氏が、福島県川内村の自然を写したスライドを見せながら、どんな想いで支援コンサートを始めたか、福島に住む友人たちの代弁者として、できる限りの活動をしたいと発言されていました。 さらに、東北地域での復興支援活動にたびたび同行している田澤常任理事からは、来年度以降も復興支援活動は続けていくという決意表明と、引き続きのご支援の依頼がなされました。
 参加者の中には、花伝舎の近隣にお住まいの淀橋町会の方々が多くいらっしゃいましたが、町会の防災担当と会長のご両名から、街の活性化と防災の観点からも芸能花伝舎の日頃の活動に対し感謝していると労いのお言葉を頂戴し、今後もチャリティ活動で協力していきたいとのことでした。
最後に、野村萬会長が、世阿弥の「衆人愛敬」という言葉をひいて、芸能というものはすべからく、多くの人に愛されなければならないということが600年以上前から言われており、被災地にあっても、ちゃんと受け入れられる活動であるよう心掛けなければならないという心構えに触れ、このような震災復興の取組みを、ちゃんと「伝承」していくべきという姿勢を示して閉会の辞としました。
閉会後も、演奏家を取り囲み、遠野まごころネットのボランティアの方々が談笑したり、芸能実演家や芸術団体と町会の方々が、交流を深めていらっしゃいました。「文化」を媒介にしたつながりが、西新宿から岩手まで続いていくのが見えたような一夜でした。

鎮魂と復耕〜音楽とともに 陸前高田上長部地区


文化芸術による復興推進コンソーシアム」の支援イベントのため、陸前高田上長部地区にうかがいました。沿岸部は、広範囲にわたって、かつて家があっただろう基礎が残っていて、ガレキの山がうず高く積まれていました。どういうふうに道をつくり、まちをつくっていけるのか、途方に暮れてしまうような光景の中、一本松がたたずんでいました。

そんな中、地元の方々とボランティアの方々が、土地を耕したり、みんなの集う場所を作ったり、復興に向けての歩みも始まっていました。3月11日、上長部ふれあい広場には、応援メッセージの書かれた「シンサイミライノハナ」が咲き、盛岡から20日間かけての「三閉伊ウォーク」のゴールを迎えて慰霊碑をたて、直会(なおらい)が行われました。



時折雪もチラつく中、「鎮魂と復耕〜音楽とともに」と題して、地元の方々、ウォーキングの方々、ボランティアの方々が集う機会に2組のアーティストに出演いただきました。

まずは、宮城出身のジャズミュージシャン20人で構成される東北NOTESから、稲垣達也さん(ピアノ)、黒瀬寛幸さん(ベース)、黒瀬理知さん(ドラム)、Taeさん(ボーカル)。被災して仕事を失った方が多い中、音楽に携わる方々もこれからどうしていけるのか、足踏みもあったかと思います。被災して多くのものを失ったけど、一歩踏み出して、復興支援のCDを作成したり、ガレキから楽器を作る「瓦礫再生プロジェクト」を行ったり、ここで使われたベースも、このプロジェクトで生まれたものでした。
 
そして、田辺靖雄さん、九重佑三子さんご夫妻。田辺さんは日本歌手協会の代表理事としても、震災後、多くの被災地支援のためのコンサートを行ってきました。心のこもったメッセージと素敵な歌声、思い出の曲の数々に、会場は暖かい笑顔に包まれました。最後には、会場にいた全員で上を向いて歩こう。それから、送り火となる灯籠に火をつけて、慰霊碑の前に集まりました。
14時46分、会場に集まったみなさんで手をつなぎ、黙祷を捧げました。1年の節目となる日に、1日も早い復興を願い、遠方からかけつけていただいたみなさん、ありがとうございました。